水没を防ぐために。水中機器を使う前のOリングチェック

水中カメラやライト、各種ハウジングなど、水中で使用する機器では、Oリングが防水のための重要な役割を担っています。

小さな部品ですが、Oリングに砂やほこり、髪の毛などが挟まると、正常に密閉できなくなります。

内部にカメラや電子機器、バッテリーなどが入っている製品では、わずかな浸水でも故障の原因になります。

SEATOOLでは、水中に入れる前に毎回Oリングの状態を点検することをおすすめしています。

Oリングメンテナンス前の分解状態
Oリングメンテナンス前に、部品の状態を確認します。

髪の毛一本でも見逃さない

Oリングを見るときに気を付けたいのは、大きな砂粒だけではありません。

細かなほこりや繊維、髪の毛一本でも、Oリングと接触面の間に挟まれば、密閉を妨げます。

特に海辺や船上では、砂や細かな異物が付着しやすいため、Oリング本体だけでなく、Oリングが収まる溝や接触面まできれいな状態にしてから組み付けるのが基本です。

「これくらい大丈夫」と思う小さな異物ほど、見逃さず取り除いてください。

グリスは多ければよいわけではありません

Oリングには、製品に指定されたグリスを使用します。

防水の主体となるのは、Oリングが適切な位置で接触し、密閉されていることです。グリスだけで防水しているわけではなく、組み付け時の摩擦を減らしたり、Oリングのねじれや傷みを防いだりするための補助的な役割があります。

乾いた状態で組み付けると、Oリングが擦れたりねじれたりしやすくなります。一方で、グリスを塗りすぎると砂やほこりが付着しやすくなります。

目安は、Oリングの表面全体に薄く均一になじんでいる状態です。グリスのかたまりが残るほど塗る必要はありません。

綿棒を使用してOリングと接触面を確認・清掃している様子
Oリングや接触面を傷付けないよう、丁寧に確認・清掃します。

慣れてきたときこそ、いつもの手順を

水中機器を何度も使っていると、取り扱いにも慣れてきます。

その頃に起こりやすいのが、「いつも通りだから大丈夫」という確認の省略です。

清掃のために取り外したOリングを戻し忘れたり、取り付けたつもりでも溝からずれていたり、ねじれたまま機器を閉じてしまったりすると、正常に密閉できません。

そもそもOリングが入っていなければ防水できません。慣れているときほど、思い込みによる確認漏れに注意が必要です。

水に入れる前には、次の点を一度見直しておくと安心です。

  • Oリングが正しい位置に入っている
  • 傷、切れ、ひび割れ、変形がない
  • ねじれや溝からのずれがない
  • Oリング・溝・接触面に砂、ほこり、髪の毛などがない
  • グリスが多すぎたり少なすぎたりしていない

毎回同じ順番で点検するようにしておくと、確認漏れも防ぎやすくなります。

点検・清掃後にOリングを正しい位置へ組み付けた状態
点検・清掃後は、Oリングが正しい位置に収まっていることを確認します。

Oリングを外すときも傷に注意

清掃などでOリングを取り外す際は、Oリングだけでなく、Oリングが接触する部分を傷付けないことも重要です。

先端の尖った金属工具などを使って無理にこじると、Oリングに傷を付けたり、溝や接触面を傷めたりします。

一見すると小さな傷でも、防水性能に影響する場合があります。取り外しや清掃の際は、部品を傷付けない方法で丁寧に作業してください。

使用前の数分が、大切な機器を守ります

Oリングの点検や清掃は、それほど時間のかかる作業ではありません。

一方、水中で浸水してしまえば、ハウジングだけでなく、中に入れているカメラや電子機器まで修理・交換が必要になる場合があります。

Oリングの状態は、水に入れてからでは確認できません。

使用前の点検を、毎回の作業の一つとして行うことが水没防止の基本です。

実際のOリングメンテナンスの流れは、下記の動画でもご覧いただけます。

※動画はOリングメンテナンスの一例です。製品によって構造やお手入れ方法が異なる場合がありますので、実際の作業にあたっては各製品の取扱説明書をご確認ください。

Oリングや防水性能に不安があるときは

長期間使用している製品では、Oリングの傷や変形、経年劣化など、ご自身では判断しにくい場合もあります。

SEATOOLでは、水中カメラハウジングをはじめとする各種水中機器の点検・修理・オーバーホールも承っております。

長期間使用している製品や、Oリング・防水性能の状態に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。

※本記事は、SEATOOL製品における一般的なOリングメンテナンスの考え方をご紹介したものです。製品によって構造やお手入れ方法が異なる場合がありますので、実際の作業にあたっては各製品の取扱説明書をご確認ください。